貴様!何様?会長様!?
「うぉ?!華奈ちゃん?!」
「ちょっと、どーしたのよその顔?!」
少し離れたところから、克也とナギの声が聞こえた。
ナギのその質問は、どうかと思うが。
状況から考えても、吉野と鉢合わせたのは明らかだ。
…また2人に何言われるか。
さっきまで吉野がいた壁にもたれ掛かり、前髪を掻き乱す。
それとほぼ同時くらいに、克也が入ってきた。
「零。女の子を泣かせるのは、いただけないな」
…別に俺が泣かせた訳でも、泣かせたかった訳でもない。
「訳わかんねー事言ってるからだろ」
「…ったく。お前、本当に覚えてないのか?」
どいつもコイツも、覚えてるだの覚えてないだの、さっきから何の話しだよ?