貴様!何様?会長様!?
そんなこと言ったら退学決定だ、と誰もがそう思った。
だけどすぐに零会長の表情も和らぎ、口元に笑みさえ浮かべている。
……あれ?
「…お前、図太い性格してるな」
……なんで?
「悪役も、そこまでするといっそ清々しい」
そこまで言って、零会長は傘を閉じた。
ますます零会長のことが分からなくなった。
いつもなら、もっともっと冷たい言葉を吐くのに。
生徒会メンバー以外の一般生徒の前で、笑うことなんてないのに。
「な、直子っ、もういいじゃん」
「早く行こうよ!」
先輩たちは逃げるように渡り廊下を去っていった。
残された私は、零会長と2人きり。