貴様!何様?会長様!?
「だからいつか、零の好きな人をかっさらってやろうと思った」
沢口先生は、ハハッと笑った。
もしかして、沢口先生の零会長に対する冷たさは、こういった事が原因だったのかもしれない。
「でも駄目だった。やっぱり俺は、零には敵わないよ」
その為に、私に近づいたんだ。
零会長が信任だろうと不信任だろうと、そんなことはどうでもよかったんだ。
「…るな」
「え?」
私、何やってるんだろう。
ほんと、何やってたんだろう。
「ざっけんなーーー!!」
“―――ドゴッ”
「は、華奈ちゃん?!」
気がつけば、私の拳が沢口先生の左頬に飛んでいた。
「回りくどいことせずに、真っ正面から突っ込んで行くのが男ってもんです!!」