貴様!何様?会長様!?
沢口先生は、目をパチクリさせている。
「私は、沢口先生が零会長に敵わないとは思いません!ただ、逃げてるんです!!」
零会長は、いつも真っ正面から真っ直ぐだった。
嘘や言い訳なんかで、固めたり誤魔化したりはしない。
それなのに私は、沢口先生を理由に逃げてたんだ。
逃げてたのは、私だ。
「は、華奈ちゃん?利用したことは怒らないの?」
意外そうな顔で、沢口先生が私に尋ねる。
「そんなことはどーだっていい!だけど1つ、言わせて下さい!」
「はい」
「真っ正面から突っ込まない限り、零会長には敵わないです」
これだけは断言してもいい。