貴様!何様?会長様!?



「ぎゃっ?!やだっ、離れなさいよ!!」



ほら、きっと直子先輩にも、なにかが伝わってる。



時間をかければ、分かり合える日はきっとくる。



零会長の真っ直ぐな言葉が、こうして人の心を動かすんだ。



同じ世界の、同じ学校にいる、同じ人なんだから。



「…アンタ、もし染井が不信任になったらどうするの?生徒会にいられなくなるんじゃないの?」



私から離れ一息吐くと、直子先輩は真面目な顔して私に尋ねた。



「次の会長は、零会長です」



私は、ためらうことなくそう言った。



「どこからくんのよ?!その自信は!」

「私は、零会長を信じています。それだけです」



私に出来ることは、そのくらいしかない。



それがもどかしいけれど、信じる人がいるかぎり、人は立ち上がれるから。



< 200 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop