貴様!何様?会長様!?



そう言って、困ったように笑う。



…やっぱり。



吉野のあの態度は沢口の仕業か。



そんなことだろうと、薄々感じてはいた。



2人が付き合っているという生徒の噂も、信じていたわけじゃない。



信じてなどやるかと、自分に言った。



「入学そうそう、あんな面白い子を見付けるなんてさ。どうして君はいつも、俺より先を涼しい顔で走るかな」



見つけ出すというよりは、アイツから寄ってきた、が正しいだろう。



俺はあの日、いつものように寝ていただけだ。



ただ、それでもアイツを見つけ出せたのが俺だとするのなら。



「面白いから見つけれたんじゃない。吉野だから見つけ出せた」



俺がそう言うと、沢口は目を丸くした。



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