貴様!何様?会長様!?



運命とか、そんなクダラナイものを信じるつもりは、更々ないけれど。



多分、どっかで偶然が重なった。



必然だったとは言わない。



ただ、偶然が偶然をうんだだけ。



「零、華奈ちゃんは離しちゃ駄目だよ」



らしくない真面目な顔の沢口。



「…んなこと、お前に言われるまでもない」



そう言いながら、俺は沢口に背を向ける。



向かう先は、勝負の場。



会長になる理由なんて、俺にはなくて。



応援されても、やる気は起きなくて。



なんの為にこの位置についたんだ?



そうずっと思ってた。



そう思い続けるだろうと思ってた。



けどそんな考えは、たった一匹の猫によって蹴散らされた。



< 204 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop