貴様!何様?会長様!?
運命とか、そんなクダラナイものを信じるつもりは、更々ないけれど。
多分、どっかで偶然が重なった。
必然だったとは言わない。
ただ、偶然が偶然をうんだだけ。
「零、華奈ちゃんは離しちゃ駄目だよ」
らしくない真面目な顔の沢口。
「…んなこと、お前に言われるまでもない」
そう言いながら、俺は沢口に背を向ける。
向かう先は、勝負の場。
会長になる理由なんて、俺にはなくて。
応援されても、やる気は起きなくて。
なんの為にこの位置についたんだ?
そうずっと思ってた。
そう思い続けるだろうと思ってた。
けどそんな考えは、たった一匹の猫によって蹴散らされた。