貴様!何様?会長様!?
吉野は、力では敵わないと判断したのか、青ざめた顔でおとなしくひこずられている。
――――“ガラッ”
そして俺は、校舎の1番奥にドーンと存在する部屋のドアを、勢いよく開けた。
「やっと帰ってきたな、零」
克也が俺を見ながらため息をこぼす。
「別に寝てた訳じゃねーよ」
「ていうか、どーしたの?その頬っぺの3本線」
ナギが笑いを堪えながら、俺の頬を指差す。
…………。
そんなに赤くなってんのか。
どうりでヒリヒリすると思った。
「この猫に引っ掛かれた」
そう言いながら、首根っこを掴んだ手を前に差し出す。
「うわっ、えぇ?!」
「どうしたのこの子?!」
生徒会室にいたみんなの視線が、吉野に集中した。