エゴイズム☆キララ
ヴーヴー、ヴーヴー




美亜がデスクの上に置いていた携帯が振るえ、阿部はハッとしたように



「…ごめん」



椅子のキャスターを全て地面に着けた





美亜は自由になると慌てて通話ボタンを押し



「もっもしもし」


『まだ会社か?』



携帯から聞こえた声に安堵した



「う、うん、もう終わったから今から帰るとこ」


『そうか、今駐車場に居るから帰るぞ』


「分かった、直ぐ下りるね」



タイミングよく電話が鳴ってくれて助かったと思った






美亜はバッグを掴み、少し離れた所に居る阿部に向き



「あ、阿部さん…すみません、お先に失礼します」


「ごめんね、白石さん」



謝る姿は、普段の阿部はそこにはいなかった
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