軌跡
「オシッ、時間だ。行くぞ、Locus!」
オゥッ、シャーッ、賢介の激に、それぞれが気合いの雄叫びで答える。狭い通路を通り抜け、足元もおぼつかない暗闇の中、それぞれの持ち場に着く。ステージから見える明かりは、ミキサールームの微かな明かりと、客席にあるバーカウンターのブルーライトのみだ。その微かな明りに照らされ、いくつもの人影がざわついている。今日の客入りは七割といったところだ。そうすると、Locus目当てはその半分といったところだろう。まずまずの集客だ。暗闇の中、四人が目を合わせる。準備完了の合図だ。賢介がミキサールームに向かい右手を挙げると、ビージーエムが徐々にフェードアウトし、ざわついていた客席も、それにあわせて静まり返る。
ワン、ツー、秀樹のスティックを打つ音が響き、カウントフォーと共に、唸りを上げてベースがグリッサンドインする。クラッシュシンバルの甲高い音が響き、ディストーションギターの歪んだ音が客席に歓声を呼び戻す。モノクロの世界に七色の光が注がれ、澄んだ歌声が加われば、これから三十分間、Locusがこの世の支配者となるのだ。
オゥッ、シャーッ、賢介の激に、それぞれが気合いの雄叫びで答える。狭い通路を通り抜け、足元もおぼつかない暗闇の中、それぞれの持ち場に着く。ステージから見える明かりは、ミキサールームの微かな明かりと、客席にあるバーカウンターのブルーライトのみだ。その微かな明りに照らされ、いくつもの人影がざわついている。今日の客入りは七割といったところだ。そうすると、Locus目当てはその半分といったところだろう。まずまずの集客だ。暗闇の中、四人が目を合わせる。準備完了の合図だ。賢介がミキサールームに向かい右手を挙げると、ビージーエムが徐々にフェードアウトし、ざわついていた客席も、それにあわせて静まり返る。
ワン、ツー、秀樹のスティックを打つ音が響き、カウントフォーと共に、唸りを上げてベースがグリッサンドインする。クラッシュシンバルの甲高い音が響き、ディストーションギターの歪んだ音が客席に歓声を呼び戻す。モノクロの世界に七色の光が注がれ、澄んだ歌声が加われば、これから三十分間、Locusがこの世の支配者となるのだ。