軌跡
「睦也さんがバイトで入って来たときからずっと、……ずっと好きでした」
そんな前から……。
奈々は高校生のときからずっと、睦也のことを思っていてくれたのだ。それなのに、太輝に指摘されるまで気付かなかった睦也は、何と愚かなのだろう。
「私なら睦也さんが辛いときも、嬉しいときも、いつでも力になれます」
睦也の脳裏に、優の顔が浮かんだ。奈々自身、優のことを意識した言葉だったのだろう。黙ったままの睦也を見て、奈々は泣き出しそうな顔を必死で笑顔に変えた。
「お酒が入っているときに、それもこんな場所で言うことじゃないですよね」
生一つ、店員のオーダーを繰り返す声が響いた。
「奈々ちゃんの気持ちは嬉しいよ。でも、……おれはその気持に答えられない」
気持ちは嬉しい。そこに嘘、偽りはない。明るく真面目な奈々ちゃんが恋人となれば、きっと優のことも……。
そんな思いを察してか、奈々は続けた。
そんな前から……。
奈々は高校生のときからずっと、睦也のことを思っていてくれたのだ。それなのに、太輝に指摘されるまで気付かなかった睦也は、何と愚かなのだろう。
「私なら睦也さんが辛いときも、嬉しいときも、いつでも力になれます」
睦也の脳裏に、優の顔が浮かんだ。奈々自身、優のことを意識した言葉だったのだろう。黙ったままの睦也を見て、奈々は泣き出しそうな顔を必死で笑顔に変えた。
「お酒が入っているときに、それもこんな場所で言うことじゃないですよね」
生一つ、店員のオーダーを繰り返す声が響いた。
「奈々ちゃんの気持ちは嬉しいよ。でも、……おれはその気持に答えられない」
気持ちは嬉しい。そこに嘘、偽りはない。明るく真面目な奈々ちゃんが恋人となれば、きっと優のことも……。
そんな思いを察してか、奈々は続けた。