軌跡
 翌日、太輝と秀樹からメールが来た。それらはどちらも、暫くゆっくりして、早く戻って来いという内容だった。その後に賢介からのメールが届き、ヒロポンにも伝えたということを知らせた。
 睦也はそれぞれに感謝と、迷惑をかけることに対する謝罪を送り、携帯を閉じた。これで暫くの間、休養に入ることになったのだ。
 睦也は一日でも早く復帰できるよう、記憶の扉を押し開いていった。そして過去の自分と向き合っていった。その一つひとつの傷と共に。
 だが、一体どうやってそれらの傷を癒せばいいのだ? オロナインを塗れる訳ではない。ましてや飲み薬がある訳でもない。
 どうすればいい? 一体どうしたらいいのだ? 
 何の解決策も浮かばないまま、無情に時だけが流れていった。
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