サクラノコエ
得体の知れない恐怖が俺を襲った。

「理紗! 理紗! おい! しっかりしろよ!」

グッタリと落ちていた理紗の頭が、ビクッと反応してゆっくりと起き上がり、それに合わせてまぶたが開き始める。

先ほどのような強烈な違和感はない。

「だ、大丈夫か?」

意識を取り戻した理紗に、ひとまず安心してそう声を掛けると、今度は、理紗を支えていた俺の手をはねのけ、混乱したようにキョロキョロと辺りを見渡した。

「え? こ、ここどこ? なんで? やだ……」

「おい、落ち着けよ。大丈夫だから」

状況が飲み込めず俺自分も混乱しながら、なんとか理紗を落ち着かせようと理紗をグッと抱き締める。

しかし、落ち着かせようとしたつもりが、理紗は

「いや! 誰!? 離して!」

と、激しく抵抗してきた。
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