サクラノコエ
「悪ぃ……」

俺はもう一度謝ると、理紗をゆっくりと抱き締めた。

「悠人く…ん」

理紗。

かわいい俺の彼女。

理紗は理紗だ。

なにがあっても。どんな病気でも。

理紗は……理紗なんだ。

俺は上がってきた涙で少し潤んでしまった目を軽く払ってから、体を離し、今度はきちんと顔を見ながら

「聞かして。お前の体のこと」

と、まっすぐに理紗に言った。

「真衣は……お前の中にいるんだよな……」

そう続けた俺の言葉に、理紗は小さく頷くと、静かに話を始めた。
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