サクラノコエ
疲れた。
ものすごく体がダルい。
頭がボーッとして、色々なことを考えることが出来ない。
「お兄ちゃん?」
風呂のドア越しに、美奈に声をかけられハッと我に返る。
家に帰り、勢いで風呂に入ったまではよかったが、湯船につかったまま動けなくなった。
ぼうっと天井についた水滴を眺めながら
――このまま寝てしまえば、自分でも分からないうちに沈んでしまうだろう。
そうなってもいいかもしれない。
心地よい湯の中で、ウトウトと眠りにつきながら、気付けば俺の一生は終わっている。
それはそれで、ある意味幸せかもしれない――
などと、漠然と考えていた。
「まだ入ってるの?」
死にたいわけじゃない。
死のうとも思っていない。
けれども、沈んでしまいと思った。