君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
柚野さんの言葉通り、聖は軽やかな身のこなしで二人の攻撃をかわしていく。
が、やっぱり一対二は不利なようで、一人に体を押さえられ、
もう一人からお腹へパンチを受けた。
拳がグッと聖のスーツへ食い込んでいく。
聖は苦しそうに顔をしかめた……
……が。
「ぐわっ!」
もっと苦しそうな顔をして、蛙のような声を上げてしゃがみこんだのは殴った兄の方。
「兄ちゃん!どうした!?」
焦る弟に掴まれている聖は口の端を上げて不敵に笑っている。
「狙われていることが分かっていて、何の装備もなく敵地へ行くわけがないだろ」
言い終えた聖は、羽交い締めにしていた弟を華麗な護身術で地面へ投げつけた。
「正当防衛も成立。防弾チョッキまで着てくる必要はなかったか」
倒れ込む二人をヒョイと飛び越えた聖は高所作業車へ乗り込んだ。
しきりに運転席へ入ろうとしてたけど……まさか聖が操作する気!?
護身術は出来てもこれは特殊な免許がいるはずだよ!
出来るの!?