君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
ハラハラしながら尻目で聖を見ていると、
「明さま、失礼します」
柚野さんがあたしの体を引き寄せた。
さっきも離れようとしたのに、腕を解いてくれなかったし。
「ゆ、柚野さん!なんですか!」
これは聖に逆効果だよ。
柚野さんの腕の中でもがくが全く効果無し。
「ダメです。今度こそ離れると……」
ガタン!
柚野さんの言葉を遮るように、ゴンドラが大きく揺れた。
さっきの強風なんて比じゃないくらいに激しい揺れ。
「キャ……!何この揺れ!」
「聖です」
柚野さんは動揺することなくあたしを抱き締めたまま答えてくれた。