君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
視線一つで二人を打ちのめした聖は、あたしの手を引いたまま柚野さんの元まで近づいた。
柚野さんは物静かにゴンドラ近くでにこやかに立ったままだった。
気配を感じなかった……。
なんて言ったら冷やかな言葉を言われそうなので、口をつぐんだ。
「爽、後は任せる。警察は?」
「はい、警察はもうすぐ駆けつけます」
「テレビの編集も立ち会えよ?」
「はい、社長が果敢に犯人へ立ち向かい、
明さまと私を助けた部分を大々的に取り上げた形に致します」
な……何なのこの会話……!
呆気にとられていると柚野さんが呼んだ警察が来たのか、
パトカーのサイレンが聞こえてきた。