君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
「せ……性格悪いですよ……」
立ちあがった柚野さんを睨みつけてみるが全く動じない。
「これくらいの役得も無ければ人質なんてやってられませんから」
やってられないって……あたしもこんな高い所に連れてこられて、
柚野さんにいじめられて……ホント、やってられないんですけど!
柚野さんのいたずらな笑みを恨めしく見ていると、突然聞き覚えのない声が聞こえてきた。
『何をコソコソ話している!』
その声はゴンドラの柵に付けられた小型のスピーカーから聞こえてきた。
恐らく運転席にいる男の声だろう。
柚野さんはゴンドラから身を乗り出して声の主を確認すると、
スピーカー近くに付けられていた無線機を取った。