雨の日はプラモでも作って
「毎日毎日作業台に座って、そんなチマチマした作業ばかりして。よく飽きないわね」

模型雑誌、ホビー誌、アニメDVD。

そんなものが床にベッドに散乱している俺の部屋。

それを掻き分け掻き分け、彼女はまず鞄を置き、その横にチョコンと腰を下ろした。

「あ!痛!なんかチクッとした!」

「お、気をつけろ。そこらへんランナーが飛び散ってるかもしれん」

「ランナーって何!」

「プラスチックの破片と解釈してくれ」

「掃除しなよ、もう!」

落ち着きなく立ち上がった彼女が、押入れから掃除機を取り出そうとする。

「待て!」

俺はそれを片手で制した。

もう片方の手には『1/8 機械甲冑轟天』の武器のパーツ。

「今重要なパーツの組み立て中だ。掃除なんかするな。部品が吸われたりしたらかなわん」


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