雨の日はプラモでも作って
「こんなものに1万円以上かけて、何考えてるの?」

「それは価値観の違いだろう。他人から見たらその程度のものでも、俺はそれを作って、棚に飾って、満足できるんだ」

やっと組み上げた『1/8 機械甲冑轟天』は、俺の手の中でスラスターの噴射音を立てそうなほどリアルな仕上がりだった。

そこでやっと振り向いて。

「お前だって、こんな暴風雨の日に馬鹿で変態で気持ち悪い俺の部屋にやってきて、何考えてるんだ?」

「…………」

うっ、と詰まったような声を上げ、気に入らなげに俺を睨む彼女。

『知ってるくせに』

彼女のじと目はそう訴えていた。

< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop