先生
スーパーに着くまで理恵の芸能リポーター並の質問タイムが始まった。


俺の兄弟の話し、初恋の話しやら諸々。

勉強にちなんだ質問は一個もない。


お前…三年だろ?


「ねぇ、先生。
大学の時彼女いた?」


恭子の顔が浮かんだ。


俺は動揺した顔を見せまいと、胸ポケットからタバコを取り出して火をつけた。

理恵と一緒の時は、吸わないと決めていたタバコ。


「また今度で…いいか?」


その一言で、今まではしゃいでいた理恵の顔が曇った。


俺…最悪だ。


過去の話しだから、「いた」と言えば良かったのに。


ごめんな、理恵。


お前に離れて欲しくないと思うズルイ大人の考え。



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