先生
恭子も俺を見て、固まっていた。
総ての時間が止まった感じがした。
そんな空気を壊したのが男の子だった。
「ママぁ…」
恭子の顔を見て安心したのか泣き出した。
「翔君、痛かったね。
よしよし…もう大丈夫だからね。」
子供を抱き上げて、優しく子供の背中を撫でた。
恭子…結婚…してたのか?
子供まで…。
何故か俺は、恭子の顔が見れないでいた。
恭子もまた…俺を見ない。
恭子…幸せになったんだな?
理恵が俺をジッと見ていた。
まるで俺の心の中を見抜く様に。