先生


名前を呼ばれて、診察室に入り、処置をしてもらった。


お礼を言って診察室のドアを開けると、音に気付いた先生が、真っ先に私を見た。


「終わった?」


「はい…。」


長椅子から腰を上げて、私の体を支えてくれた。


「ここ座ってな?」

そう言って奥に有る自販機へと歩き出した。


先生が支えてくれた背中の部分がまだ熱いまま。



< 53 / 634 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop