ユビサキからあなたへ
でも今、うろ覚えの彼女の顔を一生懸命思い出そうとしている自分がいる。


思い出そうとすればするほど、心の荷が軽くなっていくのを実感している自分がいる。


電車の窓に映ったもう一人の小坂洋介を、幸せそうに見つめている自分がいる。





なんだろうこの感覚は。

今まで感じたことのない感覚だ。

気づいたら顔がにやけてる。

これが一目惚れの魔力なのか。

幸せが空気になって、俺を包みこんでいるみたいだ。
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