偽りの結婚



――――――落ちる………


そう知覚したときには全てが遅かった。

湖に倒れていく身体。

ボートの上が不安定なことに加え前日の睡眠不足がたたり、倒れていく身体に逆らうことができない。






「シェイリーンッ!!」




バシャンッ――――

遠くでラルフの声を聞きながら重力に抵抗することなく、私の体は湖へと吸い込まれた。




あぁ……私湖に落ちてしまったのね

死ぬ…のかしら……




キラキラと太陽に反射して輝いている水面を見上げながら、ふとそんなことを思う。

けれど、皆に望まれない存在ならこれで良いのかもしれない…

最後にアリアとディランにもう一度会いたかった。




諦めて目を閉じたその時。

ガッと腕をつかみ、水面へと引き上げる力強い腕を感じた。





……だ…れ……?


薄れゆく意識の中、目を開けてみるがぼんやりとしていて輪郭がたどれない。




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