偽りの結婚



この数日間の私の態度は、端から見たらラルフを避けているようにしか見えなかっただろう。

そうして、ただオロオロと怯えたような態度をとる私にラルフは悲しそうな顔になり、二人の間には沈黙が多くなったのだ。





「お母様とお父様は?まだお帰りになっていないでしょう?」


リエナとエドワードは公務の為、まだ王宮に帰っていなかった。




「二人は外で食べてくるそうだ。…それに、今日は君に話がある」



“話”という言葉にピクッと反応する。

ついに別れを切り出されるのだろうか…

お前など用無しだとあの口から言われるのだろうか…

ギュッと手を握る。




「……わかりました」


不安に苛まれながらも承諾の意を口にする。

いつだって私には拒否権などないから。





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