偽りの結婚




「どこか悪いのかね?」


エドワードは心配そうにそう聞いてくる。




「少し体調が悪くて…今日は朝から寒かったから気温差に体がついて行かなかったのだと思います」


我ながら苦しい言い訳だな、と思う。

けれど他に用事なんてなかったし、皆に納得してもらえる理由がこれしか浮かばなかった。





「あら、それは大変だわ」


そんな私の言葉を信じて、リエナは心配そうにこちらを見つめている。




「大丈夫なの?ごめんなさいね。私ったら、シェイリーンさんの体調が悪いのにはしゃいじゃって」


ソフィアも申し訳なさそうに眉を寄せる。

皆を騙している罪悪感に駆られたけれど、それをグッと抑え込む。



「気になさらないでください。明日には治ると思いますし、皆さんはせっかくなので楽しんできて下さい」

「シェイリーンさんも一緒に行けるかと思っていたのに、残念ね…」

「すみません」


私にはそう言うしかなかった。






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