偽りの結婚




――――パーティーが御開きになったその後


ラルフたちを見送るために外に出た私は圧巻の光景を見た。

それは離宮へ行くために王宮の前に並んでいる馬車。

合計10台、総勢50名が王族の護衛として離宮に赴くらしい。

なんでも……

純粋な王家の護衛をする者、馬車を引く者、身の回りの世話をする従者や侍女、そして離宮での食事を作る者までを連れていくため、このような人数になってしまったとのこと。

なぜそんなに…と、伯爵家生まれの私は王家の権力にただただ驚くばかりだった。




王宮の前に並んでいる馬車の中でも一際豪華で美しい装飾のされた馬車に向かうラルフたち。

いつの間にかポツリポツリと雨が降り出していたため、足早に馬車に乗り込んでいた。

その光景をぼーっと見ていたが、ふと最後に馬車に乗り込もうとするラルフと視線がぶつかる。





ドキッ―――

ラルフに見つめられたからか、後ろめたさがあったのか、フイッと視線を逸らして俯いてしまった。


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