偽りの結婚
そんな……
アリアの口から告げられた言葉に鈍器で殴られたかのような衝撃を受けた。
シェイリーンが出て行った理由は自分にあった。
あの朝、シェイリーンが曇った表情をしていたのは自分のせいだった。
「まぁ、それ以前に、貴方から別れを切り出されるのが辛かったんでしょうね。口に出して自分を拒否されるのが、シェイリーンにとっては一番辛いことだから」
ふと、あの夜にシェイリーンが言いかけた言葉を思い出す。
自分に何か言いたげだったが、結局何かに絶望したように諦めた。
その切ない表情に込められていたのは、この事だったのか…
「シェイリーンは簡単に人を愛さないし、自分から深入りはしない。自分が傷つかないために」
シェイリーン…君は自分の気持ちを犠牲にして一体どれだけ傷ついた?
愛されたいと願い…そのたびに裏切られ。
遂には諦める様になってしまう程に……
シェイリーンが自分の感情を抑える原因となった継母と義姉に激しい憤りを感じ、何より、それに気付かない自分に怒りを感じた。
「あんなにも一緒にすごしたのに、僕は全くシェイリーンの事を分かっていなかったようだ」
胸に切なさを抱えながら、自嘲的な笑みを浮かべる。