偽りの結婚



「そうか…でもいいのかな?この舞踏会は形だけのもので、実はもう妃候補は始めから決められていてね」


結局、政略結婚なのね。

どこまでも王子としての身分がつきまとうラルフを少し可哀想に思う。

しかし、相手がきまっているならその方に頼めば良いのに。





「僕はその方にカモフラージュをお願いしようと考えていたんだが…」


そうよ、その方に頼めば良いわ。

責任のある役から降りたことに喜んでいたが、次にラルフの口から出た言葉に驚愕した。





「その候補というのがノルマン家の令嬢なんだ」


……ッ!!





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