Parting tears
「結麻、もうあれから四年くらい経つんだ。会わないか?」


「うん。いいよ。場所はどうする?」


「俺、今サラリーマンやってるんだけど、車買ったから、車で迎えに行くよ」


「じゃ近くのコンビニ前で待ってるね」


 もう私も和哉も、高山台公園で待ち合わせようなんて云わなかった。それはもう過去だからということなのだろう。


 コンビニの前で待っていると、一台の黒い車が停まり、和哉が降りてきた。

 端整な顔は変わらないが、少し大人っぽく見え、もうあの頃の和哉じゃないんだなと思った。


「久しぶりだな。結麻は相変わらず綺麗だ。とりあえず助手席乗れよ」


 車の中でも、昔話しに花が咲いた。私は運転する和哉の横顔を見ながら胸が苦しくなっていた。過去に色々なことがあったけれど、何故かこうして一緒にいると、楽しかった思い出ばかりが駆け巡っていたからである。

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