午前0時のシンデレラ
「でも、もう戻らないの一点張りでさ。柳に興味もあったし、家で雇ったってわけ」
「…興味?」
「どうやって咲良を変えたのかと思ってさ」
光はそう言うと、笑ながらあたしの頭をポンと叩いた。
…パパも言ってたけど、やっぱりあたしは変わったんだ。
自分でも知らないうちに、魔法にかけられたみたいに。
思えば、光とこうやって話せる仲に戻ったのも、柳のおかげだった。
柳は本当に、魔法使いなのかもしれない。
「……光」
「ん」
「………柳に、会いたい」
口から自然と零れた言葉に、光は口角を上げた。
「やっと素直になったな。咲良」
―――会いたい、会いたい。
まだ柳に教えてもらいたいことが、たくさんあるの。
柳に伝えたいことが、たくさんあるの。