午前0時のシンデレラ
…だって、あたしの言葉は。
「そんなあたしを、柳が慰めてくれてたんです」
―――柳を、庇う言葉だったから。
いくらでも、柳を悪く言うことはできた。
こんな世話係いらないって泉さんに泣きついて、一緒にパパに辞めさせてって言いにいってもらうことも。
…それをしなかったのは、柳をずるいと思ったから。
あたしの意見なんかお構い無しに、自分のペースに巻き込んでいくくせに。
肝心なところでは、あたしに全てを任せる。
そんな、自分がどうなってもいいみたいな態度が…あたしは、許せない。
―――魔法をかけてくれるのは、柳なんでしょう?
「…そうだったんだ。勝手に勘違いしてごめんね」
泉さんは申し訳なさそうに柳を見ると、軽く頭を下げた。
「いえ、僕が紛らわしかったので…」
そう言いながら、柳はあたしに視線を向けた。