午前0時のシンデレラ

どうして、とでも言いたげなその瞳に、あたしはフンと鼻を鳴らす。


…やっぱり、世話係外されてもいいって思ってたんだ。


あんたの思い通りになんか、させるもんですか!



泉さんは何度か柳に謝ると、あたしを振り返った。


「咲良さん、あんまり無理しちゃだめだよ。何かあったらすぐにおいで」


「泉さん…」


優しく頭を撫でられ、胸がきゅうっと締め付けられる。


泉さんは優しく微笑むと、他のお店を回るから、と言って街中に消えた。


そんな泉さんの姿が見えなくなるまで見つめていると、背後に気配を感じた。


「…ふーん?」


「!?」


慌てて振り返ると、柳がすぐ後ろで不敵な笑みを浮かべていた。


…嫌な予感がする。


「好きなんだ?あいつのこと」


嫌な予感が的中すると同時に、あたしの顔が一気に熱を帯びる。


「なっ、ばっ、違っ!」


「顔真っ赤」


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