午前0時のシンデレラ
「別に?特に用なんてないけど」
「―――は!?」
「久しぶりだから声掛けただけ。悪いか?」
悪いに決まってんじゃない。
話しかけないで欲しかったんですけど。
そういう意味を込めて顔をしかめるあたしに、池田は意地の悪い笑みを浮かべた。
「なぁ、何で学校辞めたわけ?」
「………」
「引越したって、通えない距離じゃねぇだろ?」
…わかってるくせに。
それなのに、とぼけながら笑みを浮かべる池田は、地獄に堕ちればいいと思う。
「もしかして…」
ああ。
その不気味な笑みが、
「俺らが、いろいろしたから?」
―――壊れてしまえばいいのに。
「っ!!!!」
…一瞬、何が起こったのかわからなかった。
床に倒れ、赤くなった頬を手で押さえている池田を見て、彼は殴られたんだと理解した。