午前0時のシンデレラ
護る?柳が、あたしを?
「…ちょっと、部屋入んなさい」
あたしは一気にドアノブを回すと、柳を引っ張って部屋に入った。
静かにドアを閉めると、あたしは柳に向き直る。
「で?あたしを護れなかったって何?」
「怪我を負わせてしまったじゃないですか」
「敬語禁止。気持ち悪い」
「…はは、相変わらず辛口だな」
いつもの柳に戻ると、あたしは少しホッとしてベッドに腰掛ける。
改めて柳に視線を向けると、あたしは口を開いた。
「護ってくれなくて結構よ」
「はい?」
「だって、柳はあたしの世話係であって、護衛じゃないわ」
そう。
柳の肩書きは、あたしの世話係。
護ってもらう契約なんて、どこにもない。
「あたしが怪我したって、あたしの責任だもの。柳のせいじゃない」
柳は複雑そうに、黙ったままあたしを見る。