午前0時のシンデレラ
~もう、そんな瞳で見ないでよ。
「とにかく!柳が謝る必要はない、以上!」
何かを無言で訴えるような視線に耐えられなくて、あたしは無理やり話題を終わらせる。
「…じゃ、訊くけど」
柳がゆっくりと、あたしに近づいて来る。
「あいつとは、どういう関係?」
言っている意味がわからず、一緒黙り込んだあたしだけど、すぐにその言葉が指す人物が浮かんだ。
「あ…池田のこと?」
すぐ近くにいる柳の表情が何だか怖くて、あたしは座っているベッドのシーツをぎゅっと掴んだ。
「関係って…ただのクラスメイトよ?って言っても、元、だけど」
徐々に速くなる鼓動に比例して、あたしの口調も早口になる。
「前は街に住んでたの。でもこっちに引っ越すと同時に、学校も辞めて…」
「何された?」
「へ?」
突然の質問に、あたしは間抜けな声を出す。