午前0時のシンデレラ
「何度も体を重ねたのに?」
「それも同じ。…あと、あんたを好きになろうとしてたのもあったわ」
池田の気持ちに答えたくて…あたしは必死だった。
その池田の気持ちが、嘘だったとも知らずに。
「でも、無理だった。あたしの心は、あんたには奪えなかったのよ」
池田を見たままそう言うと、池田が苛ついてきたのがわかった。
「は、苦し紛れの嘘つくなよ」
「嘘じゃないわ」
「じゃあ俺たちの関係は何だったんだよ」
池田の鋭い視線が、あたしを貫く。
そんな池田から目を逸らさずに、口を開いた。
「お互いを求めようとして、手に入らなかった。ただの友達よ」
「…ふざけんなっ!」
池田は急に叫ぶと、あたしを睨み付けた。
「俺が求めた?お前を?俺は、ただお前で遊んだだけ…」
「違うわ。あんたが独りだったからよ、光」
あたしの言葉が衝撃だったのか、池田は口をつぐんだ。
その瞳は、明らかに動揺していた。