大好きな君にエールを
──side*麻帆──
「ただいまー」
「おかえりなさーい。どうだった?康也くんとのデートは」
「んー楽しかったよ」
適当に返事を返して自分の部屋に向かったあたし。そしてドアノブに手をかけ「あっ、ご飯後で食べるから」と伝え部屋に入った。
「久しぶりの再会で嬉しいはずなのに、なに浮かない顔してるのかしら、あの子は」
お母さんの声が聞こえたけど、今は何も言う気になれなかった。
────……
「はぁ……」
あたしは部屋に入り、ため息をついてベッドに仰向けになった。
あーあっ、終わっちゃったなぁ……荒ちゃんとの久々デート。
会いたくてワクワクしてたけど、いざ会うと……別れが惜しいのが現実なんだなぁ。