大好きな君にエールを




「勝ってやれば……なんて甘かったかな。なんか南原の実力見せつけられた気がする」


弱気なキャプテンは初めて見た。


「何言ってんの」


そんなキャプテンに、栞先輩が言葉を突きつけた。


「練試で、しかもまだ練試終わってもないのにそんな弱音吐いてんじゃないよ。まだ午後からある。あんたの力を見せつけるチャンスはあるんだよ?」


"もちろんみんなもね"と付け加えた栞先輩。


「今はまだ、負けていい時なの。本番で勝つために苦しむ時なの。だから、南原の姿をしっかり焼き付けな!それを自分達のモノにしなさい」


同時に、さっき栞先輩が言った材料の話を思い出した。


やっぱり材料は必要だ。そうじゃないと、あたし達は強くなれないよ。



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