大好きな君にエールを





そしてあたし達は昼食を取り終え炎を吹き返した。


今はただ、もがき続ければいい。苦しんで苦しんでへとへとになればいい。


だけどそれは本番へ繋がるから。必ず道は切り開いていけるから。


「次、麻帆だよ!」


先輩に呼ばれ心を落ち着かせて、コートに入った。南原は堂々としてあたしを見ている。


…大丈夫。あたしなら出来る。


自分に語りかけ、髪を結っている荒ちゃんから貰った黒ゴムを触った。


不安になったら黒ゴムを触る癖がついた。だけど触ると大丈夫。安心するんだ。


荒ちゃんパワーをいただきます。


「蹲踞。


────…用意、…始め!」



ダダンッ!


道場ごと揺れた気がした。







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