大好きな君にエールを





バシッバシッ!


あたしの竹刀と相手の竹刀が悲鳴をあげる。


「こてっ!」

「めんっ!」


しかし勝負はつかない。様々な角度から打ち込むがすぐに抑えられる、それの繰り返し。


だけど、あたしも相手も身を引かない。


「はぁっ…はぁっ」


お互いに息が荒くなる。南原もだいぶ息が上がっている。だけど、ここで負けちゃいけない。


この峠を乗りきらなきゃいけないんだ。


「やぁっ!」


バシッバシッバシッバシッ。


何度も狙うけど、見抜かれて止められる。


歯を悔いしばって立ち向かおうとした時…




「面っ!」



あたしは一本取られてしまったのだ。







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