大好きな君にエールを





「俺に…たくさん格好良い姿を教えてくださいよっ」


キャッチャー姿や片想いでも告白するって胸を張った姿、今でも焼き付いている。


「シゲさん…シゲさんッ!」


いくら呼んでもシゲさんは目を覚まさない。本当に…本当に生きているか不安になる。


「荒嶋、いい加減に…」


「嫌だ。もしシゲさんが目を覚まさなかったらどーすんだよ。もし花龍に戻らなかったりしたら…」


「やめろ、荒嶋」


キャプテンが悲しい表情をして、強い口調で言った。


「シゲは…必ず…」


そこまで言い、キャプテンは悲しさに負けた。涙がキャプテンを包み込む。


『必ず目を覚ます』と言いたかったキャプテンの口からは嗚咽が聞こえる。俺は胸が傷んだ。







< 244 / 526 >

この作品をシェア

pagetop