大好きな君にエールを
妙にむしゃくしゃしてキャプテンからもらったジュースを開けた。
「明日のことは…わからない」
同時にキャプテンが口を開いた。
「…シゲが目を覚ますという保証は出来ない。だけどシゲが花龍に戻らないとは信じたくない」
キャプテンの目から1つ…2つと滴が落ちる。
「祈るしかない。…シゲが目覚めることを祈りながら、甲子園で胸を張って試合を出来るように練習するしかないと思う」
せっかく、甲子園出場を決めた花龍。やっと昨年の忘れモノを自分達のモノにしたのに。
「ごめん、荒嶋に永松。俺…ちょっと1人になる」
そう言って俺達の前から早足で外へ向かったキャプテン。俺達に、涙を見られたくなかったのか、それともシゲさんのことを考えて辛くなったのかわからない。
だけど、キャプテンの心はボロボロだった。