大好きな君にエールを
「キャッチャーの茂山は、意識を取り戻したそうだ」
部活が始まり、ミーティングの時に監督の口から出た言葉だった。周りには安堵の声が広がった。
「よかったぁ…」
俺も自然と笑みが溢れた。隣にいた永松も安心した表情だった。
「だが…」
監督の話はまだ続いていた。
「だが、残念なことに茂山元気は…甲子園に出場出来ない。キャッチャーは出来ないんだ」
みんな顔から、喜びが一気に消えた。もちろん俺も。
シゲさんが…甲子園に出られない?意識が戻ったのに?
「な、んで…何でですかっ!!なんでシゲは…っ」
3年の先輩のナオさんが監督に駆け寄った。
「茂山は前に自転車事故に遭っただろ?その時に頭と腕に怪我を負ったが、茂山の怪我は完治した。
…いや、見た目は完治したようになっていたんだ」