完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
フォローを入れてくれた関谷さん。
「そうですか?こういう契約の取り合いは慣れていないみたいですけど」
「まぁ、三浦君」
横でおじさんがなぜか止めて、三浦さんも黙る。
明らかに敵意むき出し?
やんわり会話している気がするけれど、これは契約の奪い合いなんだ。
……何も言えない。
下を向いているあたしは、自分の視界が歪みつつあるのに気付いて必死で気持ちを抑える。
いつもみたいに優しくない三浦さん。
ちょっと言われただけで、すぐこうなるあたしも弱い。
「お待たせしました」
いたたまれない雰囲気を、案内係の従業員の方が壊してくれてホッとしながら立ち上がった。