君に恋した。
―――…彼女でもないのにあんなに落ち込むなんて、みっともないところ見せられない。
「美菜が認めるまで待つ。」
「私が一生言わなかったら?」
「一生待つ。」
(なんで、そんな事しれっと言えるのよ…。)
「素直になればいいよ。言いたいこと言えばいいんだよ。」
「…でも。」
「泣きたいなら言えばいい。イライラするなら、俺に当たればいい。」
「そんなことできない!」
私は立ち上がって言った。
どうして?どうしてなの?
なぜ、そんなにも簡単に言えるの?
「なんで、そんな事簡単に言えるのよ!」
それまで、コーヒーを見ていたあずがこっちを見つめた。
「簡単じゃないよ。」
あずのまっすぐに私を見つめる瞳。吸い込まれそう。
「簡単じゃないなら何故言うの?」
さっきから、疑問ばっかり。
そんな事どうでもいいのに。
私、どうかしてるんじゃない?

「美菜ちゃんが困ってるのに、放っておけない。

なんでもいいからしてあげたい。

守りたい。」
守りたい…って。
告白みたいじゃん…。
「あず…。」
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