先生がいた。
それはね、先生の前だと素直になれないからですよ。

「いじめっ子だなんて人聞きの悪い。むしろ先生の被害妄想ですよ。」
「全くお前は素直じゃねえな。」

そう言って教壇の椅子に座った。

やっぱり私素直じゃないよね・・・。
自分でもわかってる。
もっと素直になりたいよ。
好きって言いたい。

と、なんだか視線を感じた。
まぁこの方向は・・・

チラっ と確認すると、

ですよね。やっぱり野村。
分かりやすいな~。

「なぁに?亜実!」
「えっ?何もないよ。」
「そっ。今年も同じクラスだね。」

別に亜実の事は嫌いじゃない。
ただあんまり近くにはいたくないだけ。
自分の思い通りにいかないと勝手にいじける。悪いけど、そんな人を好きになれるような心の広さはもっていないんで。

「そうだね。よろしく!」

にこりと笑ってまた前に向き直る。
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