プレーン
彼が岸を過ぎる迄
私は知っている。

瞼を閉じても、完全な暗闇にはならない事を。


場所がどこであれ、私たちの身の回りには必ず反射する光があるから。

遠い宇宙の端っこにも、夜の布団の中へでも、大小の光が通過している。


あなたが子供だった頃。

瞼を閉じて、そのまま外を見た事があるでしょう。

眠くはないけど行く場所もないから、そうやって遊んだと、あなたは私に話して聞かせた。
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